昔の子どもの遊び

かくれんぼするもの このゆび たーかれ!!

てなことを言いながら遊んだのは、もう○十年も前のことでした。

 子どもの遊びは、それぞれの年代によって少しづつ違っていますし、当然、隣保が違うと遊びもちょっと違いました。つまり、遊び相手も違っていたのです。また、男の子と女の子では違うのですが、どうも女の子の遊びが何であったのか、はっきりしませんが推量も交えて・・・・。古市の子ども達は、こんな遊びをしていました。

全国共通の正式名称はわかりません
生き物を相手に 魚取り カブトムシ捕り  蛙捕り ザリガニ釣り  ヤンマ捕り 小鳥捕り 沢蟹捕り 蝉取り 蛍捕り 
地面を相手に 釘刺し 陣取り 石蹴り 
博奕性のもの ニッチン べったん メンコ ラムネ 
廃物利用 缶蹴り 胴縄 車輪 缶馬
ごっこの分野 住処ごっこ 竹馬ごっこ チャンバラごっこ コマ回し 探偵ごっこ 鬼ごっこ 隠れん坊 初めの一歩 水雷ごっこ 肝試し
工作的なもの 竹とんぼ 杉の実鉄砲 楠玉鉄砲 ゴム飛行機 糸電話  凧揚げ
ゲーム性 双六 将棋 Sケン 回せ回せ
スポーツ性 早朝ランニング 胴馬 水泳 騎馬戦 三角野球 ソリ 竹スキー

女の子は
ままごと あやとり 縄跳び ゴム跳び おじゃみ 後はわかりませーん。

 不思議なことに、遊びには季節が関係していました。思い起こすと、春夏秋冬の季節にあわせた遊び方があったようです。

ミニ解説


釘刺し 地面に五寸釘を打って、蜘蛛の巣状に跡をつけ、相手が出られないようにしていく渦巻き脱出ゲーム。

陣取り 一定枠の地面に親指を軸にして手のひら半径で陣取りを進める。

石蹴り ケンケンパのこと。

ニッチン ケッチンとも言った。1円玉程度の円形のボール紙をぶつけあって、ひっくり返ると取られる。蝋が塗ってあった。

べったん トランプほどの大きさからハガキ大まであって、表には絵が描いてある。うまくぶっつけて、ひっくり返されると取られる。

メンコ 1円玉程度の円形のガラスでできていて、ビリヤード&ゲートボール&カーリングのようなルール。負けると取られる。

ラムネ ビー玉のこと。ガラスの中にいろいろな模様のある物もあった。メンコとルールはほぼ同じ。負けると取られる。

缶蹴り 空き缶を蹴っ飛ばし、鬼が拾ってくる間に隠れる「隠れん坊」の一種。

胴縄 2〜3メートルの縄を腰に回し、相手を引っ張ってよろけさせると勝ちというゲーム。

車輪 自転車のリムを竹の棒などで回しながら走っていく。正式名称は不詳。

缶馬 空き缶に紐をつけ、紐を引っ張りながら足に履いて歩く。

住処ごっこ 山の中に隠れ小屋を造って満悦。

初めの一歩 石段などで、目隠ししている間だけ上っていく。鬼が見ているときに動くと失格。

水雷ごっこ 帽子のかぶる方向で役目を表す軍隊ごっこの一種。(筆者は知りませーん)

凧揚げ 凧も自分で作ったものです。

Sケン 地面に大きなS字を描いて、それぞれの輪の中から逃げ出すゲーム。

回せ回せ 「かごめかごめ」の変形。小石を順に回していき、鬼が当てるゲーム。

胴馬 壁にもたれた子どもの股ぐらに首をつっこんで、何人かの列を作り、その上に跳び箱のように乗っていく。胴(跳び箱の箱の部分の子ども)が重みで崩れたら負け。


いたずら−その1−
 隠れん坊をしているふりをして、みんなそのままどこかへ行ってしまう。鬼は必死になって探すのですが、誰ももういないのです。

いたずら−その2−
 野道の草むらの草を結んでおく。通った人がひっくり返るの遠くから見ていて・・・。(ごめんなさい。もう時効?)


旅回りの芝居の一座が年に一度ほどやってきました。
  赤城の山も今宵限りだーっ かわぇぇ子分のてめぇーたちとも 別れ別れになる門出だーっ
       ♪♪チャカ チャン チャカ チャン チャン チャン ・・・・♪♪
とチャンバラが始まるのですねぇ。
すると翌日から、村のガキどもは、竹を切ってきて、もう村中がチャンバラごっこになってしまうのです。おでこにコブが出来てもなんのその。みんな忠治になっりきっているんですから・・・。

 芝居の余韻が冷めた頃、今度は映画がやってくるのです。
  天下御免の向こう傷 早乙女主水之介と知っての狼藉かーっ
       ♪♪チャカ チャン チャカ チャン チャン チャン ・・・・♪♪
 翌日からしばらくの間は、村のガキどもはみんな早乙女主水之介になった気分になるのです。

 鞍馬天狗に笛吹童子。風呂敷で覆面のまねごとをしたガキどもが、村の中を、あっちに走り、こっちに走り回るのですねぇ。 ケッー。もう一度やりてーっ。


夕暮れがくると子ども達は5〜6人のグループで、拍子木をたたきながら村の中を回りました。
  火の用ォー心  マッチ一本火事の元ーォ!! チョーン チョーン

 3年生ぐらいにならないと、このグループに入れてもらえないのです。どのグループに入れてもらうかが、子ども心に期待と不安を持たせていました。


天神祭のお供えは「市」をして競り売りしました。親ばかチャンリンなのでしょうが、定価の倍もの値段で買ってくれました。でも売り上げは上級生のものになり、下級生と女の子は指をくわえて見ていました。
   発句なんぼーっ?  10円 12円 15円・・・・・・・

 夏の夜は過ぎて行くのでした。


夏休みの宿題に絵日記というのがありました。毎日書いている子と、夏休みの終わりになる頃にあわてて書く子もいました。でも、思い出せませんから、絵も文章も丸写しするのです。名前が変えてあるだけです。
  今日は○○くんとセミ取りをしました。セミが10匹とれました。

もう一方の子の絵日記には
  今日は△△くんとセミ取りをしました。セミが10匹とれました。

毎日一緒に遊んでいたのですから、まるきりウソではないのですねぇ。

50年も前の話でーす。