備えあれば憂いなし


桜の枝の伐採2006年 備えあれば憂いなしと申しますが、それがなかなか出来ないのであります。いつも台風の後などには、「ああしておこう、こうしておこう」と思っても、のど元過ぎれば・・・。

 村の防災体制は如何なものかと振り向いてみますと、なかなか出来ていないのが現状です。それでもと、2006年度の最初の仕事は、木の枝打ちから始まりました。

 篠山では桜の木を大切にということですが、川に張り出した桜の枝が、台風の時に折れて流れていくと、暗渠部分に引っかかり、あふれた水が民家を直撃することが容易に判断できるので、まずこの大枝を伐ってもらうことにしました。毎年きれいな花を咲かせている公民館の桜ですが、、背に腹は替えられません。

 2006年度の篠山市の予算を見ていましたら、「防災行政無線の調査費」として100万円が計上されているようです。

 篠山市内は、後川地区の防災無線、西紀地区の防災無線、今田地区のオフトーク通信(電話回線を利用した有線放送)などが設置されていますが、いずれも合併前に設置されたものです。
 有線による情報伝達は、電話会社の回線を使ったり、光ファイバー通信網を使って設置されるものですが、これは、大きな災害が発生したときに電柱の倒壊や通信線の切断事故があると使い物になりません。経費は大きくつくでしょうが、やはり無線方式が良いと思っています。各家庭に常時充電式の受信機を設置し、集落の中心部にも屋外スピーカーを設置して、一斉に市民に通報出来る仕組みを考える事が大切だと思っています。

 そして、もっとも大事なのは、「双方向通信」を考えておくべきです。市役所からの一方通行の利用ではなく、自治会からも災害発生を発信出来る事も大切ではないでしょうか。そのシステムを作っておけば、日時用的に、自治会単位で選択放送も可能ですから、自治会自身がパスワードを使って携帯電話等で直接防災無線システムに入り、自分の地域内だけの放送も可能な技術は容易に構築出来ると思います。合併前にはそんな事も考えていました。
消防サイレン  近い将来、南海地震が起きるとも言われ、2007年度にはテレビやラジオを使った地震予知放送も計画されているようですが、「備えあれば憂いなし」と申しますから、平常時にこそ、その準備をしておく事が大切です。大災害時には救援活動部隊を受け入れる態勢が必要です。市外からどのルートを通って救援部隊が入ってくるのかも想定して、道路整備もしておくことが大切です。

 中国の諺に「水を治める者は天下を治める」という言葉があります。水に限ったことではなく、今の言葉では「インフラ整備」ということでしよう。私たちは、かつて阪神淡路大地震を経験し、少なからずも親類や知人に被災者を経験し、また、救援活動のボランティアもやってきました。いざという時に、何を用意しておけば良いかという事も学んだはずでした。でも、いったいいくつの家庭で、非常袋が用意されているかと思うと背筋が寒くなります。

 大災害の時は、まず3日間は自分で生き延びる手段を用意しておくことが大切なのです。公民館の桜の枝は、そんなことを私につぶやいていました。
←JA移転に伴い、市の補助事業で移転された消防サイレン。毎週日曜日の正午には、テスト吹鳴をかねて10秒間自動吹鳴します。