古市のまちづくり 
  3回目のまとめと提言



 2008.3.19に行われた3回目のワークショップのまとめです。

 ■本日のワークショップ
  ○地蔵盆と義士祭の工夫
  ・400年祭の取組
○行事の目的と位置づけを明確にする

 ■目的
 
地域への愛着を高め、誇りをと自信を持ら(地域力を高める)
世代間(三世代)の交流の場とする(コミュニティの育成)
内外に古市の魅力をアピールし、地域の活性化に役立てる(来訪者を増やし特産開発や販売、若者定住に役立てる)(古市地区の魅力を発表できる内容に)
地域の歴史や文化的風土を学ぶ
これからの地域の課題解決に向けた街づくりのきっかけとする・これからの地域の課題解決に向けた街づくりのきっかけとする

 ■位置づけ
 
様々な主体(住民、企業、行政)の地域活動の一年間の成果を集約し発表の場とする
様々な主体(住民、企業、行政)の地域活動の一年間の成果を集約し発表の場とする
古市・波賀野新田地区全体の祭りとして、地域全体が盛り上がるイベントとする
内外に古市の魅力をアピールし、地域の活性化に役立てる(来訪者を増やし特産開発や販売、若者定住に役立てる)(古市地区の魅力を発表できる内容に)
古市地区の問題点や課題解決(魅力創出・発信)に寄与する新しいイベントを工夫する
 (成長発展するイベントへ)



 ■地蔵盆の活性化に向けて
   ワークショップのまとめ  (出された意見・アイデア)
 方   針 ・地区全体の積極的な取り組みへ
・住民が参加しやすい方法を考える
.住民が楽しむ企画
気軽に参加 ・展示品がなくとも表をあけて生け花だけでも置こう
・どの家も参加できるようにプランターに花を植えて設置
・統一した花を飾る
・街並みに花を、夕顔を各戸で育てる
・夕顔を軒に置こう、
・家の横や裏にある花や植木を軒先に飾る












子ども向け
イベント
・ビンゴゲームをもっと大々的に
・くじ付きお菓子の販売
・家で手作りお菓子をつくり販売
・フリーマーケット
・農協裏を歩行者天国にして落書き広場の設置
つくりもの ・各町ごとにつくりものを作成する
・当番町だけでなく4町で作成する
・つくりものにこだわらない
・アイデアが出にくい
松  明 ・松明を工夫する
.愛宕の日尾栗を農協前に変え、電車から見えるようにする
灯  り ・史跡、風景のライトアツプ
・天神山のライトアップ
・水と光の芸術
・照明芸術で美しく
・古市から波賀野新田まで統一した灯りでつなげたい
・照明を明るく
・門灯をつけて通りに面する部屋の明かりをつける
盆 踊 り ・盆踊りの会場が道から外れている
・小学校の高学年の協力を要請する
・各町に割り当て動員を要請する
新しい取組み ・地域のいわれ等を看板にして設置
・よさこいそうらん踊り
・盆踊りが盛り上がらない→踊りコンテスト、仮装踊り等もっと元気な踊り
雰囲気作り ・音楽を鳴らして昼間から盛り上げる
・展示物を集め、街道を回廊とする
・メイン会場を明確に定める
・前夜祭の盛り上げ
・商工会の参加継続
・装備運営ができるだけ簡単に済むようにする
情報発信(PR) ・他地域に周知−チラシ、広報など広範囲に
・看板を多く立てる
・華やぎの会をもっとPRする
・篠山の広報誌に載せてもらえるよう早めに計画
・古市コミセンだよりにPRする
・主な駅にチラシを張ってPRする




当 番 町 ・当番町の負担を減らす
・当番の中身を再検討
・当番町以外にもイベント等を計画実施するチームを作る
交通対策 ・駐車場の確保
・古市街道の素通り車対策
・交通整理、ガードマンの設置


 参加者から出された多くの意見を「丹波の森研究所」の横山先生にまとめていただきました。『言うは易し、行うは難し』という言葉があるように、地域の人々が出来ることと出来ないことを振り分けていただいたのです。そして、自分たちが『井の中の蛙』のごとく、自分たちの場所の特性も認識していないこともご指摘いただいたことになります。




  ■地蔵盆祭りと地域の活性化に向けて(提言)      横山宜致


考え方
地域祭りの原点に立ち返り、その目的と意義を再確認し、祭りの準備段階の取組体制も含め協議しあう中で、地蔵盆を地区全体の活性化イベントとして地域とともに活性化していく。
 
新たな視点も付与しながら、華やぎの会の皆さんとともに少しでも住民の皆さんが楽しみながら準備し波賀野新田と共に地区全体で開催できるイベントとして、人口減と少子高齢化を踏まえ、新しい取り組み体制の構築に向けて検討し、地区全体が盛り上がる古市の夏祭りのニューウエーブを創り出そう。
 
■地蔵盆祭りの目的
地域への愛着を高め、誇りと自信を持つ(地域力を高める)
世代間(三世代)の交流の場とする(コミュニティの育成)
内外に古市の魅力をアピールし、地域の活性化に役立てる(来訪者を増やし特産開発や販売、若者定住に役立てる)(古市地区の魅力を物語性を付与し情報発信)
地域の歴史や文化的風土を学ぶ
これからの地域の課題解決に向けた街づくりのきっかけとする
 
■位置づけ
様々な主体(住民、企業、行政)の地域活動の一年間の成果を集約し発表の場とする
古市・波賀野新田地区全体の祭りとして、地域全体が盛り上がるイベントとする
古市・波賀野新田地区の歴史文化を生かしたまちづくりを考える場とする
古市・波賀野新田地区の問題点や課題解決(魅力創出・発信)に寄与する新しいイベントを工夫する(蓄積し、成長発展するイベントへ)
  
○活性化の着眼点
恒例行事の反復から地区全体が成長するイベントへ
古市地区の三大イベントのひとつとして明確に位置付ける
街並みの空間特性を生かす、空間の魅力を最大限発揮できる場の演出(見え方、見せ方等)を考える
準備も祭りのパフォーマンス、準備する活気と雰囲気作りが大事
一年間の活動を集約し、成果の発表の場であり、新たな活動方策を内外に情報発信する機会と位置づける。したがって年間行事の大きな流れの中で、地蔵盆祭りを位置つけ、熱い最大の盛り上がり機運の中で開催する。
特に広報、情報発信に力を入れ、専門部会を設け、古市地区の戦略の一環として体系的かつ計画的に取り組む。JR駅、小学校との連携を日常的に強化する。
住民ばかりでなく、企業参加を促し、地域企業との連携開催を重視する。(企業は地元に限らなくてもよい。社会貢献やPR効果の高い取り組みをうまく呼びかければ、スポンサーになりうる。散策マップの裏を広告にするのもその一つ)


■取り組み提言
祭りの目的と位置付けを毎年明確にして、波賀野新田とともに地域全体の最大イベントの祭りとして取り組む。一年間の地域活動を集約し、成果を公表する場であることを明確にすることが重要である。その前提に立って地蔵盆の活性化に向けて以下の点を提言する。
 
○当番町の負担軽減
古市の地蔵盆は、関西一円に見られる子供達の地蔵周りの祭りではなく、成松の愛宕祭りに匹敵する地域挙げての夏祭りである。伝統行事ともいえるが、領主等が建設した城下町ではなく、近世に商家が軒を並べた商人町にふさわしく、各町平等に分担で「つくりもの」を備える行事は、同じ商人町の成松の愛宕祭りと共通している。すなわち頭屋制(オトウ)などの宮座といった一部の特権階級が運営する中世来の祭りではなく、江戸期町衆が創り出した祭りであり、平等に分担している点から 見ても、町衆の合議制に基づく祭りといえる。だからこそ古市の地蔵盆は、商いがついて回る。御詠歌はあるにしても極めて宗教色は、薄いのではないか。
人口減で、少子高齢化が進展している状況から当番町の負担過多であるならば、四町の持ち回りは、当然見直すべきではないか。元来四つの作りものを一つにしたのも合議制で決定したもの。最もやりやすい形で、運営し、継続していくのが大事で、四苦八苦する前にやりやすいように改善していくべきと考える。まずは協議だけでも始めてはどうだろうか。
祭りのにぎわいや活気を考えれば、「つくりもの」は四つが望ましいが、当番町の状況から四つの復活は困難である。自分たちでできなければ、他から支援を受ければよい。都市というよりも、「つくりもの」に参加する企業を募集してみたらどうだろうが。地場の企業にこだわることなく、市内の企業でうまくいけばスポンサーにもなりうるし、PR効果のある社員研修として「つくりもの」に参加してくるがもしれない。ダメもとである。商工会や青年会議所等と組んで元気がありそうな企業に働きかけをしてみてはどうだろうが。青年会議所自体が、参加してくるかもしれない。
○空間の魅力を活かす
狭隘な地勢を活かして成立した古市は、狭いながらもその地勢に合わせて魅力的な集落を構成している。村中道型の街道村であるが、八上や安口、福住、追入等にはない、立体的な断面構造の露地を備え、その露地の骨格は必ず蛭子社等の共有地を媒体として成立している。谷を介して東側の中山沿いに家屋を配し、聖なる愛宕社や稲荷、妙見堂はすべて、西側山腹に設置している。これは今田の立杭とも共通する土地利用である。家屋の立地する集落では奥行きのある蛭子谷に公的施設を集中させ、波賀野新田との結界の大塚谷には、庚申祠などのサイノ神を祀っている。中山の山裾の等高線に沿うように形成された雛壇状の家屋景観は、かつての裏池であうた古市駅のホームから見れば、桟敷席のような輻輳する畦の棚田と共生する集落環境を形成している。工夫された端正な成亥蔵の白壁と菜園畠のカキノキの見え隠れ、蔵や町家の甍が重なり合うように連なるコントラストと、立体的路地が曲線で家屋や緑の畦を分節しあう集落景観は、古市桟敷とでもいうべき見事なランドスケープとなっている。
 祭り時には、表通りの街道沿いは、提灯が連なり、つくりものの周囲は、灯籠が集中的に準置されると聞く。であるならば、立体的な露地を新たな手作り灯篭で飾り、駅のホームと結びつけ、端正な白壁の成亥蔵や柿の木をライトアップさせ、ホームから見た棚田と共生する「古市桟敷」の景観を、まち灯りで演出できないか。観客席は、ホームであり、福知山線である。PR効果も大きく、何よりも古市の集落景観の魅力を引き出すことになる。古市桟敷のひな壇状の景観は、古市特有のものであり、それを生かさない手はなかうう。
 
〇環境共生への視点
夏の軒先を夕顔や西洋朝顔、風船蔓等のつるもので、立体的に飾ろう。夏の祭りは、夜や川辺が中心。少しでも涼しい場所で行おうとした。とすれば、華やぎの会のうちわ等と同様に涼やかこ演出するのが夏の修景だ。つるもので軒を立体的に美しく修景し、西日や幅射熱を抑える。すだれなど が背景にあり、夕顔やほうづきの緑や立杭焼の鉢の水草(ウォータレタス等)、金魚鉢、豚の蚊り取り線香、軒先の風鈴や氷の暖簾など夏らしい心の効いた演出が、涼を呼び、沿道がもてなし空間となる。
 
○伝統やいわれの蓄積を活かして積極的に発信する
酒井さんがまとめた古市の歴史等を参考にして、ハレの舞台を飾る手作りの案内板を作ろう。統一モデュールとデザインのスチレンボードで、かっての宿場町にふさわしくこれまで地域で蓄積されてきた様々な地域資源を手作りの案内板で紹介していこう。祭り等の地域イベントの前後数日間のみ設置し、後は公民館に保管しておく。いざという時はガムテープや針金等で、設置していくもの。毎年少しずつ増やしていけば、古市では、膨大な地域資源が、情報発信していくことにもなる。イベントを盛り上げ、雰囲気作りにもひと役買うビジュアルなものとしたい。
○空間の魅力を活かす
狭隘な地勢を活かして成立した古市は、狭いながらもその地勢に合わせて魅力的な集落を構成している。村中道型の街道村であるが、八上や安口、福住、追入等にはない、立体的な断面構造の露地を備え、その露地の骨格は必ず蛭子社等の共有地を媒体として成立している。谷を介して東側の中山沿いに家屋を配し、聖なる愛宕社や稲荷、妙見堂はすべて、西側山腹に設置している。これは今田の立杭とも共通する土地利用である。家屋の立地する集落では奥行きのある蛭子谷に公的施設を集中させ、波賀野新田との結界の大塚谷には、庚申祠などのサイノ神を祀っている。中山の山裾の等高線に沿うように形成された雛壇状の家屋景観は、かつての裏池であうた古市駅のホームから見れば、桟敷席のような輻輳する畦の棚田と共生する集落環境を形成している。工夫された端正な成亥蔵の白壁と菜園畠のカキノキの見え隠れ、蔵や町家の甍が重なり合うように連なるコントラストと、立体的路地が曲線で家屋や緑の畦を分節しあう集落景観は、古市桟敷とでもいうべき見事なランドスケープとなっている。
 祭り時には、表通りの街道沿いは、提灯が連なり、つくりものの周囲は、灯籠が集中的に準置されると聞く。であるならば、立体的な露地を新たな手作り灯篭で飾り、駅のホームと結びつけ、端正な白壁の成亥蔵や柿の木をライトアップさせ、ホームから見た棚田と共生する「古市桟敷」の景観を、まち灯りで演出できないか。観客席は、ホームであり、福知山線である。PR効果も大きく、何よりも古市の集落景観の魅力を引き出すことになる。古市桟敷のひな壇状の景観は、古市特有のものであり、それを生かさない手はなかうう。
 
〇環境共生への視点
夏の軒先を夕顔や西洋朝顔、風船蔓等のつるもので、立体的に飾ろう。夏の祭りは、夜や川辺が中心。少しでも涼しい場所で行おうとした。とすれば、華やぎの会のうちわ等と同様に涼やかこ演出するのが夏の修景だ。つるもので軒を立体的に美しく修景し、西日や幅射熱を抑える。すだれなど が背景にあり、夕顔やほうづきの緑や立杭焼の鉢の水草(ウォータレタス等)、金魚鉢、豚の蚊り取り線香、軒先の風鈴や氷の暖簾など夏らしい心の効いた演出が、涼を呼び、沿道がもてなし空間となる。
さらに、涼しく迎えるために、地域を挙げて、打ち水を行おう、地球環境保全昭織等のNPOなどと連携すれば、打ち水自体が、地球環境改善の取り組みとなる。ぬれた路面は、提灯等の明かりを一層幻想的なものとする。早く乾く大通りと湿潤な裏通りや路地の質感の変化も修景効果を高め、古市ならではのものとなるのではないが。
 
〇外からの参画を促す
自然と歴史は、丹波地域共通の魅力でもあるが、古市は、新しい街。全国からの最新情報が集まってその情報がつくりものとして修景デザインされ、丹波地域の最新情報を提供する役割の一翼を担った。丹波地域の農村部が、地場のものや伝統に縛られる度合いが強いなか、まちの古市は、ウナギや明石のタコに象徴されるように、丹波地域への物産や情報の受け入れ口としての伝統を生かして、幅広い取り組みが可能だ。いうなれば何でもできるといっても過言ではない。全国の物産と情報は、古市から丹波地域に派生していったのだ。最先端の情報や技術は、外から取り入れる以外にはない。自然に古市に集まってこない現況では、積極的に招いて集めよう。先述の企業参加とともにデザイナーやアーティストを招いて企画展を展開しよう。空き家などの手ごろな町家があれば最高だが、つくりものと同様に場所を提供し、アーティストを招こう。美術系の大学と連携できれば、恒常的な取り組みが可能となる。丹波地域の高校や中学の美術部や茶道、華道クラブとコラボするのもいいかもしれない,地域で学ぶと同時に心地よく招くことも重要だ。
その時重要なのは、単に作品を陳列や展示する会場提供としないこと。本当のギャラリーは、ギャラリーとなる会場で、展示するアーティストがその会場の場や空間特性に合わせて独自の演出やオリジナル作品を創出している点である。場を提供すると同時に、場の演出や会場設営そのものをアーティストに任せてしまうが地元団体とコラポーションしてもらうことが重要で、古市の会場でしかできない作品としての展示を創作してもらうように働きかけることが肝要である。
 
○「つくりもの」交流へ
つくりものは、商人町がつくりだした合議制に基づく祭りのひとつの形態だと私は考えている。丹波地域でも数は少なく、全国的にもそんなに多くないのではないが。と考えると、成松等の作りものがある町とぜひ連携してほしいものである。交流し情報交換や作品性を競い合うことで、より一層立派なものとしたい。互いに交流することで何十周年の節目には、合同でつくりものを行うようなことも可能となろう。サミットでもよいし、姉妹提携を結びあうのもよい。情報発信にもなり、今後古市地区でつりものを継承し、発展していくためにもぜひ実現してほしい。
 
○情報発信の拡充
時間がないが、@灯りづくりと、Aつるもの等を用いた緑化修景、B手作り案内板づくりを地域おこしの三事業としてパワーアップ事業に申請しよう。波賀野新田と共同して取り組むこともできる。ぜひ協議し、@AB三つの担当者を決め、計画書を作って、パワーアップ事業に申請していただきたい。
古市校区では地域を知るをテーマに散策会を行うはず。手作り看板ができれば、ぜひ地蔵盆を視察してもらうように打診しよう。
灯りづくりには、専門のあかり作家を招き、みんなでオリジナル作品を作ろう。と同時に古市の街並みを見ていただき、築城400年祭にむけたライトアップ等の古市「まち灯り」プロジククト(作戦)の計画書を作ろう。今年度と来年度のまち灯りの取組成果を築城400年祭でお披露目することとなる。
古市の街が一層皆さんの笑顔と演出で華やいでいることを願ってやまない。
以 上





  さて、これからが私たち自身で計画と実行をする正念場となってくるのですが。